薬をやめることにした
術後から飲み続けてきた、乳がんのホルモン治療薬タモキシフェン。
やめることにした。
選択肢としてあと5年、トータルで10年飲み続ける道もあったがやめる方を選んだ。
術側の左乳房にまたがんができたら再発、右乳房にできたら新規のがんになる。
右乳房にできるがんは左の再発にはあたらないそうだ。
新しいがんはホルモン型とは限らない。
抗ガン剤適応やHER2適応かもしれないし、トリプルネガティブかもしれない。
もういいと思った。
副作用に耐えに耐えて5年間がんばった。
主治医とも相談して、飲み続けても得られる効果は薄いとはっきり言われた。
飲みたかったら飲んでもいいけれど、副作用との兼ね合いで考えてと。
肺の影は経過観察、肝嚢胞も経過観察、乳がんも経過観察、検査は続ける。最近は腎臓の数値が非常に悪い。
遺伝的にもまたどこかにがんができる可能性が高い。
けれど薬は卒業。
またガンになったら、次は主治医に紹介状を書いてもらってがん研有明かがんセンター中央病院に転院する。
がんセンター中央病院は元職場のすぐ近くだ。工事ももう終わっただろう。
前の時は子どもたちにがんだということがわからないように、病院名にがんがつかない病院を選んだ。
次はそうはいかない。きちんと病気と遺伝リスクについて話さなければ。
もう前の時ほど自分はショックを受けないと思う。
子どもたちが成長し、わたしが死んでも前の時よりは確実にダメージが軽いと思えるからだ。
長いようで短い、短いようで長い5年だった。
すべてが何の区切りもなく終わっていく。