病理検査②
診察の順番待ちのあいだ、前回抜糸のときも待合室で一緒だったご夫婦を見かけた。
私はもちろん今日も一人。
やっと呼ばれて診察室に入り主治医と対面したら、それまでの不安も迷いもふっとどこかへ消えた。
一緒に電子カルテを見ながら主治医の話を聞く。
腫瘍の大きさ、術前何度も受けたエコーで毎回微妙に違う大きさを伝えられていたが、0.8cmで確定。浸潤部分はもう少し大きいが病理では腫瘍のみで測るそうだ。
最初に診てもらった病院で言われた「しこりは約8ミリ」は当たっていた。
電子カルテの画像で、切除部位の断面写真に目が釘付けになる。
「先生!!がんって白いんですか!?」
「そうですよ」
私がみた画像はちょうどシコリの真上から縦にすぱんと切った写真で、黄土色の乳腺組織(こっちはグロい)の中に真っ白な丸いものがある。
ショック....がんって白くて綺麗なんだ。まるで貝の中の真珠みたい。
真っ先に思い出したのは、父の胆嚢結石。胆嚢摘出手術後、瓶に入った結石をもらったが緑がかった白できれいな石だった。(時間が経過するとボロボロになる)
子どもたち2人を育てた母乳はあのグロい黄土色で作られ、ガンは真っ白か、、複雑な心境。
ぎゅっと詰まった密度の濃そうな白い物体の写真。
父の切除したすい臓がんを触った感触(術後の家族説明の際)を思いだした。ものすごく硬かったのだ。
術前自分で胸のしこりを触ったときは「石のように硬い」とは感じなかったが、腫瘍を直に触ったら硬いのかも。
病理検査の結果は
ER:(8)
PgR:(8)
HER2:(2+)
Stage 1
ホルモンは強陽性。
HER2はやはり2+なのでFISH検査をすることになった。
FISH検査の結果待ちでまた治療確定が2週間後に。
そして放射線治療の件。
平日は毎日必ず通院しなければならない治療なので、自宅近くの大学病院で受けたいという希望を伝えた。
聖路加までは電車で通院だが、大学病院は自転車で行ける。
主治医に相談したら、医療連携室という部門が大学病院とのやりとりを全部やってくださることになった。
放射線治療が終わったら、また聖路加の主治医の元に戻ってその後の治療は聖路加で受ける。
そして、今まで禁止されていたお風呂で湯船に浸かること、プール、温泉、海水浴などが全てオッケーになった。
放射線治療が始まるとまたプール、温泉が禁止になるから今のうちですよ。と主治医からアドバイスされ、ちょうど夏休み中だったのでいっぱい遊んでおきます!とお返事して診察終了。
抗がん剤に対する迷いは、またFISH検査の結果がでてから相談しよう。
術後無治療のまま、どんどん時間が過ぎてしまうことが若干不安だったが仕方なかった。